静岡県熱海市「餃子の濱よし」

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■輝く海に思いを寄せて

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「昔はお店の前に建物がなくて、道路沿いに広がる相模湾が見えていたんです」

小田原から熱海に南下する国道135号線。夏場には海に向かう車で混雑するこの道路沿いに立つ一軒のお店。目印となる看板に描かれた「創業80余年」の文字が、熱海の町と共に過ごした時間を雄弁に物語っています。

昭和4年に創業した老舗の初代は、熱海と同じく相模湾に面した神奈川県平塚市生まれの柳下(やぎした)秀雄さん。三十代のときに、奥様が生まれ育ったこの地で始めたそば屋『浜よし』がそのルーツです。

まだ海側に建物がなかった時代。現在は熱海銀座の駐車場になったこの一角に立つお店から、見渡すことができた砂浜。今も受け継がれる屋号には、秀雄さんが大好きだったそんな景色に対する思いが詰まっています。

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しかし、昭和25年4月13日。熱海の中心部や繁華街一帯を火の海が飲み込んだ、『熱海大火』から免れることはできませんでした。店舗が全焼し存続の危機に直面したのです。

その後、熱海の旅館が当時所有していた土地の一部を譲り受け、バラック小屋を建てて営業を再開。同年8月には『熱海国際観光温泉文化都市建設法』が公布され、6月に始まった朝鮮戦争による特需もあって、浜よしはかつての活況を取り戻しつつありました。

「うちの電話番号の末尾は0048なのですが、これは土地を提供してくれた旅館が使っていた番号を譲り受けたものなんです」


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