保原屋食堂の天丼-01

昨年4月に取材で訪問して以来、久しぶりに足を運んだ福島県の奥座敷・飯坂温泉。

となると、立ち寄るべきは昭和6年創業の保原屋食堂。風に舞う暖簾をくぐれば、三代目のヨシおばぁちゃんの「いらっしゃ〜い」という懐かしき声。四代目の敏美(としみ)さん・道子さんご夫婦と共に歴史を守り続けていました。

で、前回は「天ざる」、「餃子」、そして「ラーメン」を半分いただいたのですが、その時から心残りだった一品が天丼。圧倒的なボリュームの天ぷらが、丼の上にドーンと盛られた姿にひと目会いたかったんです。

保原屋食堂の天丼-02

2本の大ぶりの海老天を筆頭に、イカ、ミョウガ、インゲン、ナス、椎茸、しめじ、キス、かぼちゃ。天ぷらのベストナインが、熱々のごはんの上に集結。そこに味噌汁と漬物、そして「ウチの天丼はボリュームがあるので、天ぷらを別のお皿に乗せて食べると食べやすいんですよ」という、心遣いが込められた空のお皿が。

サクサクの軽やかな食感の衣に染みた甘めのタレ。一つ一つの具の味を染めすぎることなく、しっかりと風味や旨味を引き出しています。そういえば、天ざるにもフキノトウの天ぷらがあったのですが、今日も印象的だったのはミョウガの天ぷら。香りで季節を運ぶ天ぷらを欠かさないのがポイントなんでしょうね。

もちろん、タレはたっぷりとご飯にも行き渡り、相性は言うことなし! 自家製ヌカ漬けのやさしい味も、出汁が効いたワカメの味噌汁も箸の動きを滑らかにします。

熱々を頬張っているうちに、あっという間に完食。ちょうど時間もお昼時、他のお客さんのテーブルに餃子やカレーうどんといったメニューが次々と並ぶ姿に、やっぱりこういう食堂が身近に欲しいなぁ…と、改めて感じたのでした。

前回、訪問したときの記事はこちらから!

プロフィール

百年食堂応援団/坂本貴秀
百年食堂応援団/坂本貴秀ローカルフードデザイナー
合同会社ソトヅケ代表社員/local-fooddesign代表。内閣府を退職後、ブランディング・マーケティング支援、商品開発・リニューアル、コンテンツ企画・撮影・執筆・編集等各種制作を手掛けている。