青森県八戸市「キクヤ食堂」

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■名物料理『豆腐フライ』が生まれた理由

キクヤ食堂-08

「メニューは多くても、少ない材料の組み合わせで生まれたものばかり。大衆食堂なので高い食材は眼中にないんです(笑)」

知恵と工夫が凝縮したメニューには、幅広いジャンルの料理がズラリ。中でも目を惹くのが『豆腐フライ』の文字。

「もともと食堂でトンカツを出していて、昭和40年代にはお弁当の配達も手がけていたんです。そんな中で ”お弁当のボリュームを出すために隣の隣にあった田村豆腐屋さんと相談して、豆腐を揚げてみないか?という話で、親父が作ったんです」

「豆腐は店の冷蔵庫に入ってなくて、ボウルを持って店に取りに行ってた」という環境とアイデアから副菜として誕生した一品は、瞬く間に人気となってメインディッシュに昇格。現在の看板料理となっている。

キクヤ食堂-09

『キクヤマガジン』と銘打ったメニューは、「妹さんの”こうした魅せ方がいいのでは?”」というアイデアから生まれたもの

一方、創業当時からの人気メニューがキクヤラーメン。味のベースは料理が生まれたときと変わらない。

「煮干しと鶏ガラ。この出汁の組み合わせは絶対に変えない。あとは、香味野菜として玉ねぎとネギを加えるぐらい。とにかくシンプルなんです。
年寄りだったり若い方だったりと、好きな煮干しの味の濃さはそれぞれ。調味料の味が変われば煮干しの味自体も変わります。ただ、そうした流れがあってもみんなが好きな味の全体像とウチの味は一致するんです」

足し算が多ければ振り幅も強くなって、それだけ味がブレることもありうる。しかし、キクヤ食堂の味はシンプルな構成だからこそ普遍性を持つ。

「自分でスープを作るようになって20年ほどになりました。いろいろな要因で味も変わりうるんですが、今はちょうどいい感じになってますね」

信一さんが変えたのは「中細寄りの麺から細麺にしたこと」ぐらいだという。また「創業時からレシピを変えてない」というポークソテーも人気の一品。

「特にソースは、肉汁とウスターソース、ケチャップからその都度作っているのでフレッシュな味なんです」と聞けば、この3品を注文するしかない。