東京都板橋区『やまだや』の魚料理の日替わりセットとアジフライ、アジのたたき

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平日の午前中にもかかわらず、ガラス戸の先は満員御礼。テーブルに並ぶ料理の数々と、食堂呑みを楽しむお客さんの熱気に包まれていました。

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成増駅の南口から伸びるスキップ村商店街の中ほどに店を構える「やまだや」さん。店頭に掲げられた暖簾の『食堂』の文字からは信念をヒシヒシと感じ、黒板に書かれた料理の数々に心が踊ります。

■験のいい屋号とこだわりの料理たち

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店内に入って真っ先に目に飛び込んできたのは、この大きな保冷ケース。
刺身やお惣菜の数々が並ぶ中から、「すいませーん、ひじき!」とお客さんが食べたいものを指名します。

さて、そんなお店が誕生したのは今から90年以上前、昭和元年のこと。初代の祖父が新潟で営み繁盛していたという酒屋「やまだや」。この屋号が持つ縁起にあやかり同じ屋号が東京にやってきた当時、まだ食堂ではなく甘酒屋だったそう。

三代目の奥様・宇田ユキさんいわく「初代は何の商売をやっても当たる人だったんです。元々は巣鴨で甘酒屋さんをやっていたんですが、『食堂をやろう!』ということで今の場所に移ったんです」とのこと。

その後、戦時中には東京都指定食堂として、外食券を持参した一般市民の胃袋を満たしたこのお店は、三代目の宇田由紀夫さんとユキさんにバトンタッチ。当時は寿司屋として営業していたこともありましたが、「この町のお客さんには、お寿司屋さんよりも食堂のほうがよかったみたい」ということで、今日に至ります。

ひっきりなしに料理を注文する声が飛び交うお店を切り盛りするのは、ユキさんと四代目の宇田範章・里美さんご夫妻。主にホールにはユキさんと里美さんが立ち、範章さんが調理を担当する三人体制です。

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壁を埋め尽くさんとする短冊には、手書きの味わいが効いた豊富な定食やごはんものが。中でも特に力を入れているのが魚料理。毎朝、市場に足を運び魚を吟味する四代目によって、寿司屋時代から培われてきたこだわりは健在です。

■自慢の魚料理のクオリティの高さに驚き!

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そんな中から、日替わりセットの金目鯛煮付け定食をチョイス。ふっくらした身から広がるキメ細やかな旨味と皮や脂のプルプルした口当たりに、魚選びのこだわりをヒシヒシと感じつつ、甘めの煮汁との組み合わせを楽しんでいるうちに、ごはんがっつりモードへとギアチェンジ。

豚肉が入ったちょっとゴージャスな味噌汁や、自家製の漬物や冷奴が脇を固める定食は食べ応え満点。でも、これだけ質の高い魚の旨さを知ってしまったからには、他の魚料理も食べずにいられなくなってしまいました。

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ということで、アジのたたきにアジフライを追加注文。鮮やかなピンク色に染まった身と、大ぶりのアジフライが3枚盛られたお皿が運ばれてきた瞬間、誰もが驚きを隠せないはず。

アジのたたきの厚く弾力に富んだ身を口に入れれば、磯の香りが軽やかに広がり、口中の熱で脂の旨さがとろけ出します。表裏2枚分をしっかり食べれば満足この上ないのですが、

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骨の周りについた身を掻き出して食べることを忘れちゃいけません。

一方揚げたてのアジフライ。きつね色の衣に包まれたフライを頬張れば、揚げたてサクサクとフカフカの身に歯は喜び、二口三口と止まりません。

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ソースやレモンを織り交ぜながら食べつつ、軽やかに広がる磯の風味を感じれば、『アジってすげぇ!』と叫びたくなります。

どちらも嬉しいボリュームで、楽々とメインディッシュになる一品。ここに270円を足すと定食になるのも嬉しいサービス(もちろん、定食のおかずの単品注文もできます!)。保冷ケースのマグロの刺身をベースにオリジナル定食を作るお客さんの姿もありました。

時間や老若男女を問わず、訪れるすべての人を破顔一笑にし、胃袋を満たしてくれるこの食堂。90年以上の歴史が今日も続くのは、素材へのこだわりとお客さんを喜ばせる色々なサービスの積み重ねにある。そんなことを教えてくれる下町の名店です。


創業年:昭和元年(取材により確認)

住所:〒175-0094 東京都板橋区成増2-19-3

電話番号:03-3930-5760

営業時間:10:30~21:00(ラストオーダー20:30)

定休日:土曜日

主なメニュー:魚料理の日替わりセット(700円程度〜)/すきやき定食(860円)/生姜焼定食(750円)/お惣菜各種

※店舗データは2018年5月25日時点のもの、料金には消費税が含まれています。

〒175-0094 東京都板橋区成増2-19-3