弘前の桜もいよいよ本番!外壕の水が映し出す桜の姿。地元の新聞やニュースでは「まだ五分咲き」と言うのですが、優雅な姿を見せてくれます。
抜けるような青空の下、隙間なくギュッと詰まった花びらの姿。一つの花芽から複数の花が咲くのが弘前の桜の特長です。
手入れが行き届いた色々な種類の桜に彩られた弘前さくらまつり。そこに欠かせないのが三忠食堂の屋台と中華そば。大正8年の初出店以来、味わい深い看板と共に丁寧につくられる津軽そばが風物詩となっています。
当然、地元の方をはじめ「さくらまつり=三忠食堂の津軽そば」という方も数多く、早い時間に売り切れてしまうこともあるのですが、この日はまさにその状況。でも、そんな時にこそ食べたいのがもう一つの看板料理・中華そばです。
入口で食券を中華そばとおでんを注文して、プラスティック食券を受け取ったらテーブル席で歩き疲れた疲れを癒やすことに。お昼のピークタイムを少し外したあたりが、行列も少なく入りやすいタイミング。
一部あった座敷席は全てテーブル席へと模様替えしていましたが、お水を入れるりんご柄のグラスは変わりません。
ということで、おまちかねの料理が運ばれてきました!
澄んだスープの下に泳ぐ縮れ麺。鯖節と昆布から取った出汁がしっかり溶け込む、甘めのタレがやさしいスープは、桜の香りのように心に残る香りと深い旨み。しっかりと旨味が絡んだちじれ麺の心啜り心地もよく、ネギやメンマ、チャーシューにナルトというシンプルな具材が花を添えます。
そして、さくらまつりにしか食べられないおでんも欠かせません。ボリュームしっかりの二人前。こんにゃくや卵、練り物が皿を隙間なくぎっしりと埋めますが、この一皿の主役は根曲がり竹。とうもろこしのようにほんのり甘く、出汁の染みたおいしさは春の訪れを告げる味。
大正、昭和、平成をまたいで受け継がれた伝統のおいしさと独特の祝いに満ちた空気は、令和の時を迎えてもきっと変わらないはず。むしろ、その価値は更に華麗に咲き誇ることでしょう。
※三忠食堂を紹介した記事本編は、下のリンクからご覧ください。