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もしも、仕事で訪れた街の宿に百年食堂が併設されていたら。

そんな夢のような環境を現実にしてくれるのが、宮崎県日向市の『お食事処ながとも』。大正10年にうどん屋として暖簾を掲げて以来、4つの元号にまたがって街に愛され続ける老舗は、地域からの信頼を得たことで事業を多角化。その一つがルミエール日向というホテルの経営だ。

実は、とある講演のお仕事で日向市を訪れる機会があったので、早速ホテルの公式サイトを見れば『地鶏食べ比べ宿泊プラン』の文字。これはもう即決以外の選択肢はありえない。

日向灘の恵みに目を奪われつつも…

夜のメニューでは貝汁が推されていたり、『本日のおすすめ』には日向灘の幸がズラリと並ぶ。

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前回取材した時にいただいたお刺身の盛り合わせ。ひむか本サバなど艷やかな地魚がお皿を彩る。

現在、四代目として暖簾を守る長友健治さんが、日向の市場に出向き選び抜いた、新鮮な魚介類のラインナップはかなり魅力的。でも、運ばれてきた地鶏料理の数々を見て、気持ちは一気に鶏モードへ変化した。

堂々たる地鶏料理の数々に驚くしかない!

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はじめの一皿は地鶏のたたき。グニュッという弾力とすっきりした旨味には、地鶏ならではの醍醐味がしっかりと。

お次は地鶏の燻製に手羽先の味噌焼き。すっきり・さっぱりしたお肉の味と、濃厚で甘みしっかりな味噌をまとった、皮の脂の組み合わせ。いわゆる「指先までおいしくなる」の言葉を隅々まで体現。

そこに手羽先の唐揚げと、宮崎名物のチキン南蛮。カリカリの皮に包まれたジューシーで柔らかな身と、三代目が作り上げた甘酸っぱいタレとタルタルのコクが、しっかりたっぷりな鶏もも肉の唐揚げは、ビールを呼ばずして何を呼ぶ!?

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鶏の部の締めくくりは地鶏もも炭火焼き。グツグツと脂が泡立つところに箸を伸ばせば、あの弾力と弾けるエキスを独り占め!

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しかも、コースの最後には宮崎名物のサラダ巻きと、ながとも名物のうどんの黄金コンビも登場。

サラダ巻きは宮崎市のお寿司屋さんがルーツだが、日向市内のスーパーのお寿司コーナーにも並ぶ、いわば宮崎の県民食。シャキシャキのレタスとエビの弾力の組み合わせに歯も大喜び。

うどんはムニっと柔らかな食感を持ちつつ、クニャッと柔軟性に富んだ、『ながとも』らしいいつもの味。上顎で、舌で、歯で、喉で。口中の色々な場所で味わうとそれぞれに違った感覚が生まれるのも、このうどんの楽しさ。いりこ出汁のおつゆをグイっと飲み干して締めくくる。

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レジにはこのお店が登場した漫画「実録百年食堂」が。

これだけの料理と宿泊のセットの値段が、信じられないことになっていた!

しかも、ここにワンドリンク付き。地鶏と宮崎の味、そして日向の味で胃袋と気持ちを満たしてくれる料理に、宿泊と朝食がセットになって料金は驚きの7,000円!

「地鶏は一羽丸で仕入れているので、その価格で提供させていただいてます」と、長友健治さん。一人で夜の街に出向くのが苦手だけど、地物の食材をおいしく食べたい!という方(自分もですが)に、老舗食堂のホスピタリティが詰まったこのプランはうってつけ。もちろん、安らげる食後感は言うまでもない。

※お食事処ながともの紹介記事本編は、下のリンクからご覧ください!

プロフィール

百年食堂応援団/坂本貴秀
百年食堂応援団/坂本貴秀ローカルフードデザイナー
合同会社ソトヅケ代表社員/local-fooddesign代表。内閣府を退職後、ブランディング・マーケティング支援、商品開発・リニューアル、コンテンツ企画・撮影・執筆・編集等各種制作を手掛けている。