埼玉県寄居町「今井屋」

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■かつ丼を作る秘訣は「作りあがったら迅速に」

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こうした料理の仕込みは朝8:00ごろから始まる。豚肉は歩いて数分にある地元の精肉店から毎朝届く。

「昔から『肉のみねぎし』さんのものを使ってます。私も食堂に入る前には“お昼ごはんにコロッケ買ってこよう”っていう感じによく行ってました」という馴染みの店の肉に対する信頼は厚く、そんな中からカツ丼にはモモ肉を使っている。

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「昔からこの使い方なんですよね。モモは脂が少なく赤身たっぷりで、さっぱりしていてヘルシーだからかもしれません」

2センチほどの厚さにカットしたモモ肉をしっかり叩いて包丁で筋を切る。「ウチのカツは柔らかいんですよ」という食感づくりに欠かせないひと手間だ。

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肉と衣をつなぐバッター液も大切なポイント。菜箸で混ぜて硬さを確かめる時間はカツの仕上がりを左右する瞬間。「つけすぎても衣が固く厚くなってしまうし、少なすぎても衣がしっかりつかない」という加減に合わせるのが大切だという。

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こうして準備した肉とバッター液を絡ませたら、粗目のパン粉をまぶして仕込みは完了。あとは注文を待つだけだ。

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一方、親子丼のお肉となるモモの切り落とし部分。こちらもしっかり叩いて柔らかくして準備万端。

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鍋いっぱいのラードでこんがり揚がったカツ、ここに熱々の秘伝のタレをくぐらせる。

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ジューっという音と共に褐色に染まれば、なんともたまらない香りが生まれる。

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カツを受け止めるごはんにも、たっぷりのタレが注がれる。「毎回ガス釜で2升ずつ炊いて、多い時には一日に5回炊くんですよ」と大量にごはんが必要なのは、一人前350gのボリュームだからこそ。その上に「育子さんの頃から変わらない」スタイルで2枚のカツが盛られる。

「一日200食ほど作ってるんです」というカツ丼が3〜4人のパートさんと分担し、注文から数分で手際よくできあがるのは、「ごはんをおいしく炊いて、作り上がったら迅速に」という思いを大切にしているからだ。

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一方の親子丼は「新玉ねぎの季節は、水分が甘いので親子丼もおいしいですよね」と、スライスした玉ねぎを小鍋にたっぷり盛ったところに、味つけとしてかつ丼のタレを注ぎ、火にかけて割下となる部分を作る。

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ここにモモの切り落としを乗せて卵で閉じる。カツ丼と同じく手際の良さが味の決め手だ。