埼玉県さいたま市「中華の永楽」

LINEで送る
Pocket

■食堂の未来を、キツネ色の輝きが明るく照らす

中華の永楽-15

※一郎さんは現在72歳、店内では同い年の奥様・君代さんも看板娘としてホールに立っています。

「ウチのイカフライはスルメイカをまるごと仕入れて作ってます。火を入れると身が固くなってしまうので、季節ごとに産地を追っかけて選ぶことにこだわってます。ただ、どうしても仕入れ値も高くなってしまう。一箱4,000円だったものが今では8,000円ぐらい。それでも、やっぱり値上げは難しいですね」

地元の常連客との関係性を大切にしてきた永楽だが、時代の流れでお客さんの層も少しづつ変わってきているという。

「この町は東北道のインターが近くて車文化。それもあって最近は深夜にチェーン店じゃない味を求める車のお客さんや、駅前にできたビジネスホテルに泊まる外国客が多くなった。先日も大宮と深谷に盆栽目的で来てフランス人がウチに食べに来てくれたんですよ。

元々、岩槻は人形づくりが盛んで昔から人形関連の行商人や職人さんが全国から集まる町。でも最近はお雛様や五月人形といった大きなものが動きにくく、組合に加盟する職人さんも年々減っている。小学校で人形づくり体験の授業を受けた自分としては寂しいですね」

産業構造の変化によって訪問客の傾向が変わってきた中でも、地元の魅力を知ってほしい。育弘さんの心の中には溢れんばかりの地元愛が根付いている。そんな三代目に次世代への思いを尋ねてみた。

「小学生の子供がいるけど、今の時点で次世代というのは考えていません。その年齢になったら子供自身が決めること。こればかりは時代の流れなんでなんとも言えないですね。まずはお客さんに喜んでもらえるよう、自分の代としてしっかりがんばろうと」

昔は「魚屋さんから1杯2杯の数で買っていた」というイカフライは時代を超えて今も店の看板。そこには三代に渡って培ってきた譲れない矜持が詰まっている。四代目に受け継がれる日まで、熱々のキツネ色が放つ輝きは決して色褪せない。


中華の永楽
創業年:昭和8年(取材により確認)
住所:〒339-0067 埼玉県さいたま市岩槻区西町1-4-7
電話番号:048-756-2498
営業時間:11:00~翌5:00(L.O.4:00)
定休日:なし
おすすめメニュー:
イカフライ(566円)/ラーメン(550円)/オムライス(772円)/麻婆豆腐(822円)/岩槻ねぎの塩やきそば(810円)
※店舗データは2018年9月26日時点のもの、料金には消費税が含まれています。

〒339-0067 埼玉県さいたま市岩槻区西町1-4-7