青森県八戸市「キクヤ食堂」

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■30秒に凝縮された揚げの技術

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「豆腐フライには柔らかな木綿豆腐を、水分をしっかり抜いてから使います」

豆腐に塩コショウで下味をつけたら小麦粉をはたいて、溶き卵に絡めたらパン粉をつける。

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ここまではトンカツや魚フライづくりと同じ過程だが、崩れないようにするのがひと手間だ。

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「水分を抜いた状態で揚げるので油跳ねはしませんが難しいのは揚げ加減。あんまり長く揚げすぎると豆腐が爆発しちゃうんですよ」

衣が食欲をそそるキツネ色に染まるまで、片面30秒ほど揚げたところでクルッと返す。なので鍋から目を離すことは厳禁。さっと作ってパッと油から引き上げる。これが秘訣のようだ。

「この料理、私は『みなさんの家でもできますよ』って言うんですが、なかなか難しいみたいで」というのも当たり前のことで、長年の経験で培われた奥深さが凝縮されている。

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ポークソテーは厚いロース肉をしっかり叩いて筋を切るところから。こちらも塩とコショウで下味をつける。

「フライパンで蒸し焼きにすると柔らかくなるんですよ」と、表面に焦げ目がついたところでフライパンに日本酒を注ぐ。

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もちろん、フライパンに残った肉汁を余さず使うのが旨さの秘訣。ここにケチャップとウスターソースを加えてソースを作る。

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こちらはお店の歴史を支えてきた中華そばの麺。

「キクヤラーメンにはウチよりも古い、ここの製麺所の麺をずっと使っています。茹で上がりをよくするため、2日置いて麺から空気を抜くんです」

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大きな鍋で麺を茹でている間にも、厨房を包み込む煮干し出汁の香り。これだけで麺が啜れそうなほど圧倒的な濃度で鼻に届き食欲をそそる。