岩手県宮古市「冨士乃屋」

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■チャーハンもラーメンもカツ丼も。凝縮されているのは、普遍のおいしさ

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こうしたお話を伺ってから、改めてメニューブックに目を通すと、改めてここに食堂の歴史が凝縮されていることを感じます。

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料理の数は100を超え、中華料理はもちろんルーツとなったそばやうどんの文字も。

「ウチはベテランの調理スタッフを加えて、息子の将史と共に四人で厨房を切り盛りしてます。
中心となっている料理は主人と一緒に考えたものが多く、料理の数に対して人数が少ないので、いかに手早く作るかを頭に入れてイチから作ってきたものばかりです」

特に食堂が大切にしてきたのが、中華メニューの肝となる鶏と豚のスープストック。その味は絶えることなく店の礎となっています。

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そんな数々の料理から選んだ三つの料理。まずは、入口のディスプレイでも最初に目を惹いた四川チャーハン。楕円のお皿になみなみと注がれる麻婆豆腐。その傍にあるチャーハンとの並びはカレーライスのよう。

フワフワの豆腐に絡んだ麻婆の餡は、とろみしっかり旨味ギッシリ。最初は控えめな刺激も、食べ進めているうちに赤唐辛子でスイッチオン。皿の脇に添えてある豆板醤をスプーンで掬って、辛さを調整できるのも嬉しいところ。餡に入ったしいたけやタケノコ、そしてネギが、口当たりにリズムを生み出し、爽快感や香味感を加えます。

一方のチャーハンは、チャーシューにネギ、そして卵のクラシックスタイル。しっかりと味が入ってるので、麻婆豆腐の餡が絡むとまろやかな味わいに。香ばしくパラパラとほぐれれば、香ばしい香りが口いっぱいに広がります。そう、まるでこれはカレーライスならぬ四川ライスです!

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お次は「重治さんと共に作った」というねぎラーメン。唐辛子色に染まった山盛りのネギが、見た目で身体を温めます。

秘伝の鶏ガラと豚骨のスープが身体にじんわり馴染み、中太麺を啜ると小麦の甘さと辛さとのミックスで生まれる味に愛おしさを感じます。これぞまさに、食べ飽きない味です。

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そしてカツ丼。大ぶりのロースカツと半熟感が残った卵が白ごはんを覆い、衣柔らかなカツと卵を茶色に染める甘い味付けが、定番の安心感を醸し出します。また、味噌汁の味が懐かしくていいんです。

「出汁には煮干しと昆布を使ってます。特に昆布は地元で豊富に取れるので、しっかり使いたいですよね」という気持ちが身体を満たします。