茨城県土浦市「保立食堂」

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■江戸前の味が土浦の味になるまで

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「父は浅草で3年間天ぷらの修行をしていて、こっちに戻ってすぐに江戸前の天ぷら一本でやろうと決めたんです」

俊一さんから暖簾を継いだ五代目の剛さん。丼ものを提供していたこれまでのメニューを一新。自らが修行先で技術を学んだ天ぷらに暖簾の未来を託したのです。

「今でこそ天つゆで食べてもらってますが、最初の頃は天ぷらを天つゆと一緒に出すと「醤油をくれ」という方が多かったんです。土浦は自宅で天ぷらを食べる時に醤油を使う人が多く、家庭の味付けで食べたかったみたいですね」

江戸前の天ぷらが定着するまでには、少しだけ時間を要したものの、今ではすっかり店の代名詞。

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そんな天ぷらを、店頭の一角で売り出したのも五代目からでした。

「四代目までは正月に使うナルトとか、練り物を店頭で売っていたそうです。昔は夕方になると忙しくて、食堂よりもこの一角のほうが人気だったようです」

今は「おいしさを優先して、揚げ置きせずに注文を受けてから調理をしている」とのこと。本格的な江戸前の天ぷらがある食卓っていいですよね。

…ということで、お話を伺えばやっぱり揚げたてが食べたくなるもの。看板メニューの天丼と天ぷら定食、そして食堂のルーツたる魚屋のDNAが詰まったおさしみ定食を注文しました。

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大きなボウルで衣を溶く音が厨房に響き、大きな天ぷら鍋からはジュワ~っと食欲を掻き立てる音が。ゴマ油をベースにしたオリジナルの配合の揚げ油の香りと共に五感を刺激します。

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その傍らには持ち帰り用コーナーのガラスケース。揚げたての天ぷらの油を切って年季の入った包装紙でお化粧。きっと、町でこれを見かけたらテンションが上がること間違いありません。


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