群馬県高崎市「きのえね」

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■「町の蕎麦屋に徹すればいいんだ」

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「群馬の東毛地域ではうどんが主流ですが、西毛地域では蕎麦屋の看板を掲げながら、うどんも手掛けていたんです」

かつては洋食なども手掛けていたきのえねも、旭町に来てからはそば・うどん一本に。お品書きには蕎麦・うどん屋の王道の数々が記されている一方で、伝統を発展させるべく新しい料理へのチャレンジも忘れません。

「単に昔のものを守るだけでは商売が成り立たないので、新しいものも導入しています。伝統と革新ですね。もちろん、お店の軸を崩しすぎるといけないのですが、そういう時には『町の蕎麦屋に徹すればいいんだ』という父の言葉に立ち返ります」

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テーブル席と座敷席が広がる店内には、きのえねらしい装飾が施された高崎名物のダルマの姿が。また、小さな子ども向けの絵本コーナーも大人気。幅広い世代に愛される秘訣です。

そしてもう一つ大切にしているのが、プラスアルファのおもてなし。

「美味しいものを提供するのは当たり前で、お客さんに合ったおもてなしができればいいなと。観光のお客様だったら高崎の良きものを紹介したり、魅力を多くの方に知っていただくお手伝いもできればと思っています」

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こうした気持ちで生まれた『高崎うめ~豚うどん』は、きのえねを代表する料理の一つ。高崎市の地粉で作られるうどんを始め、豚肉も梅干しもメイドイン高崎。せっかく当地に足を運んだのですから、昔から受け継がれるそばと発展系のうどんの両方が食べたくなるもの。同じく高崎産の文字が目を惹く「舞茸天そば」と合わせて注文しました。

ちなみに、おもてなしの一環として、きのえねには裏メニューも満載。「大きな鉢のような器に大量にそばを盛った『千円盛り』や、冷やしたぬき蕎麦の大盛りと竹輪の天ぷらが二本乗ったミニ竹輪天丼をセットにした『松田スペシャル』」といったものなど。常連になればスペシャルメニューの屋号が手に入るのですから、足繁く通いたくなるものです。

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決して大柄ではない弘恵さんにとって、そば作りは日々の大仕事。心を込めて作ったそばが大釜で茹でられ、梅干しや舞茸が天ぷら鍋で衣を纏う。

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そんな姿を見ていると、調理と無縁だった時代があるなんて信じられません。


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